彼女はさらにこう続ける。
「蛍の多く飛び違ひたる、また、三つ四つ、二つ三つなど、ほのかにうち光りてゆくも、をかし。」
何が美とされ、何が好まれるかはその時代によってさまざまだ。今日の名画も、明日にはもしかしたら折り紙のコースターになっているかもしれない。しかし、蛍の淡い光は、どういうわけか、王朝の昔と変わらずに私たちを感傷へと誘う。もし仮に古の都人と心を通い合わせられるとしたなら、それは言葉よりもなお、飛び交う蛍によってだろう。
スケジュール組みを見誤って、びおら蛍に参加できずにいた男がいた。
彼は彼なりに豊かで充実した日を過ごした。それがたとえ、男二人で演奏会に行くというイベントであったにせよ。
確かにその通りではあっても、なおなお、彼の陳腐なロマンティシズムは、諦めの境地の片隅で、どうしても淡く飛び交う光に想い焦がれていた。
練習を終えて、家に戻って、就寝前になんとなく”つゐった”なるものに手を染める。淡々としたバカ騒ぎが流れていくその中に、ちらほらと「蛍」の文字が、現れては流れ、現れては流れていく。白川疎水の蛍が、どうやら盛りを迎えているらしい。
そして、その晩は良い月が出ていたのだった。
「白川に蛍見に行ってくる」
独り身ゆえのフットワークの軽さから出たこのツヰートに、2人の男が引っかかった。
一人は、ヴィオラパート随一の仕事人にしてロマンチスト、YMD氏。
もう一人は、ツイ禁に失敗すること数知れず「やめるやめるヤギ」の異名を持つ、#男の中の男O木。
かくして、YMD・O木・砂糖という謎パーティーのもと、白川での蛍狩りが挙行されたのである。
深夜0時を少しまわったころ。
こんな時間だというのに、疎水沿いの遊歩道には人の姿があった。
大概2人連れ、もといアヴェッッックであるのがいかにも
向こうはアヴェッッック、こちらは男の3人連れ。ある意味では圧倒的勝利であり、ある意味では圧倒的敗北である。
ともかく、よろしく楽しんでいるお二人さん方に有言無言の圧力をかけつつ、我々も蛍狩りを楽しんだ。
白川の月
蛍が写らない…
砂糖「やっぱり無理ですねえ」
ドヤ顔を決める #男の中の男O木と冷静に写真を確認する砂糖
振り返る #男の中の男O木
あ、写った!
先ほどまでアヴェッッックの座っていたベンチに横たわる #男の中の男O木
O木「一緒に寝るか」 砂糖「イヤです」
笑顔の #男の中の男O木とリクエストにお応えしてドヤ顔を決める砂糖
徒然なるままに蛍を眺め、「レポートがあるから」とYMD氏がタイムアップを宣言し、この会はお開き。
来年またやるかどうかは…未定とさせていただきたい。
0 件のコメント:
コメントを投稿