2012年6月19日火曜日

真夏の夜の夢 ―びおら蛍番外編―

「夏は、夜」―四季の風情に関する一節で、かの清少納言はこのようなことを記している。

彼女はさらにこう続ける。

「蛍の多く飛び違ひたる、また、三つ四つ、二つ三つなど、ほのかにうち光りてゆくも、をかし。」

何が美とされ、何が好まれるかはその時代によってさまざまだ。今日の名画も、明日にはもしかしたら折り紙のコースターになっているかもしれない。しかし、蛍の淡い光は、どういうわけか、王朝の昔と変わらずに私たちを感傷へと誘う。もし仮に古の都人と心を通い合わせられるとしたなら、それは言葉よりもなお、飛び交う蛍によってだろう。



スケジュール組みを見誤って、びおら蛍に参加できずにいた男がいた。


彼は彼なりに豊かで充実した日を過ごした。それがたとえ、男二人で演奏会に行くというイベントであったにせよ。
確かにその通りではあっても、なおなお、彼の陳腐なロマンティシズムは、諦めの境地の片隅で、どうしても淡く飛び交う光に想い焦がれていた。


練習を終えて、家に戻って、就寝前になんとなく”つゐった”なるものに手を染める。淡々としたバカ騒ぎが流れていくその中に、ちらほらと「蛍」の文字が、現れては流れ、現れては流れていく。白川疎水の蛍が、どうやら盛りを迎えているらしい。
そして、その晩は良い月が出ていたのだった。

「白川に蛍見に行ってくる」

独り身ゆえのフットワークの軽さから出たこのツヰートに、2人の男が引っかかった。
一人は、ヴィオラパート随一の仕事人にしてロマンチスト、YMD氏。
もう一人は、ツイ禁に失敗すること数知れず「やめるやめるヤギ」の異名を持つ、#男の中の男O木。

かくして、YMD・O木・砂糖という謎パーティーのもと、白川での蛍狩りが挙行されたのである。

深夜0時を少しまわったころ。
こんな時間だというのに、疎水沿いの遊歩道には人の姿があった。
大概2人連れ、もといアヴェッッックであるのがいかにも不愉快という感じがする。
向こうはアヴェッッック、こちらは男の3人連れ。ある意味では圧倒的勝利であり、ある意味では圧倒的敗北である。

ともかく、よろしく楽しんでいるお二人さん方に有言無言の圧力をかけつつ、我々も蛍狩りを楽しんだ。

白川の月

蛍が写らない…

砂糖「やっぱり無理ですねえ」

ドヤ顔を決める #男の中の男O木と冷静に写真を確認する砂糖

振り返る #男の中の男O木

あ、写った!

先ほどまでアヴェッッックの座っていたベンチに横たわる #男の中の男O木

O木「一緒に寝るか」 砂糖「イヤです」

笑顔の #男の中の男O木とリクエストにお応えしてドヤ顔を決める砂糖

徒然なるままに蛍を眺め、「レポートがあるから」とYMD氏がタイムアップを宣言し、この会はお開き。


来年またやるかどうかは…未定とさせていただきたい。




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