2013年8月5日月曜日

新・伊勢物語 ―近鉄で行く夏のおひとりさま紀行―

昔、男ありけり―

この一文に始まり、ある男の女性をめぐるあれやこれやの話を綴った歌物語といえば。


そう、『伊勢物語』である。


そして2013年の京都に、もうひとり男がいた。

朝食のオムレツがうまくできたことに気を良くして、彼の行動力はあさっての方向へ突き動く。


「お伊勢参りしようか。」


盆地の夏をあとにして、彼は月曜の午前を近鉄特急に揺られて過ごしたのだった。



伊勢物語の「男」、モデルは在原業平とされている。歌の名人で、イケメンであったという。
今回の「男」は哲学趣味の冴えない男だが、偶然にも業平と共通の特徴を有していることでも知られている(日本語を解する、目が二つあるなど)。旧作では女性との高雅で繊細なやり取りが見所であったが、2013年の新作では装いを一新し、女性との関わりは「スマホに気を取られていたらオバチャンと衝突した」という描写のみに抑えられている。


さて、テキトーに乗り換えを調べて家を立つ。

 近鉄特急伊勢志摩ライナー

 伊勢市駅!伊勢神宮外宮の最寄駅


参道側にはJRの駅があった

分かりにくいかもしれませんが路面電車の意匠のバスです

外宮への参道

参道にあった古めかしい旅館。名前は「山田館」

外宮正面

伊勢神宮には「外宮」と「内宮」の二つがあり(実際にはその下に細々末社があったりするんだけど)、それぞれ豊受大御神(衣食住の神様)、天照大御神(太陽を神格化した神様、皇族の先祖)をお祀りしている。
風習というかルールというか、外宮→内宮とお参りすることになっている。

外宮の橋、遠くに見えるのが鳥居


この看板、何と読むでしょう。べつに「下衆は立ち入るなよ」というわけではないですよ、ご心配なくみなさん。「下乗」です。橋の前に立っていて、「ここで馬だの輿だのから降りろよ」という標識。もちろん歩きで来ている分には関係ありませんが。

鳥居。白木で作ってある

参道を本宮へ

おっさんを追い越そうとしている

無駄な疾走感

神様が戻られる際の目印にする石なんだとか。ガイドのおっさんの説明を又聞きした

外宮、本宮に到着。
鳥居から向こうは撮影禁止。まさに聖域です。神主さんに声をかけると少し奥まで入ることができるようで、正装したご家族が拝殿に一礼してらっしゃったり。


そして、こちらが今度の式年遷宮でお遷りになられる「新居」。
そもそも、「式年遷宮」とはなんでしょう。神宮のお社というのは、20年ごとに新築することになっています。要はその新築の儀のことです。
そのまんま使えばいいじゃん、という気もします。しかし、神道では「清らかさ」ということが重要なので、お社の「清浄」を保つ意味でこうした建て替えを行うそうです。白木の茅葺き屋根造り、見た目にも清々しいですね。



慣例に従い、内宮へ。

参道を歩く。アッツイアッツイ

今更ですが鳥居も新築します。白木の造りが目にも清涼

御手洗場。ここで禊をするそうで

近づくとこんな感じ。下鴨神社にもありましたねこんなん


せっかくなので清めてみる。雑魚が泳いでました

内宮の神楽殿

こちらが内宮の「新居」

内宮の本宮。こちらも内部は撮影禁止

参拝が終わったので、門前通りをぶらぶら。
横道に入ったところにあった甘味処で。黒蜜の素朴なあまさと氷のふわふわがもう幸せ♡

なんとこの佇まいでファミマです。ネットでも話題になりましたね
 十返舎一九の「東海道中膝栗毛」でも、弥次喜多の旅のそもそもの理由は「お伊勢参り」でした。

参拝の道すがら、白装束に身を包んだお伊勢講の一行とすれ違ったり、江戸の昔から、お伊勢さんは観光の名所としても尊崇の対象としても、広く愛されているようです。

まあ、できれば人のいない時にお参りできたら、もっと雰囲気はいいんでしょうが。

おまけ

帰り道の外宮前、突然のヒーロー

青だけかと思ったら

もう2色おった

も、もしかして彼らは…っ


観光課の職員の方ですかね(冷静)

ヴィオラの夏もあと少し。

次回の記事はっ!

いよいよっ!

2年ぶりにあの企画がやってくるっ!(はず、誰か書いて)




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