岐阜でたらふく飯を食い、しこたま酒を飲んだ夜。
移動が目的という本末転倒な旅を続けていた部員一同に、連日の鈍行と寄る年波による疲労がたまっていく。
「明日の出発どうします」
「始発だと5時半起きですって」
「ふーん」
「ここのホテル朝食無料ですって」
「ほお」
「ワッフルとかおいしそうでしたよ」
「おう」
「ということはもちろん」
「決まりだな」
「じゃあ明日は6時半起床で」
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岐阜市の朝は非常に静かである |
翌朝。
諸般の事情により身支度を素早く終えた筆者が、部員たちの部屋を回る。
佐「おはようございます」
西「おはようございます」
佐「朝食いつ行きましょう」
西「(現時刻6時45分)7時でいんじゃね」
佐「んじゃあそういうことで」
佐「おはようございます」
山「おはようございます」
佐「マングローブさんが7時に出ようですって」
山「ホテルを?」
佐「いや朝食に」
山「ああ了解っす」
一同が朝食会場に到着したのは、7時を15分ばかり過ぎてのことだった。
さて、ゆっくりたらふく朝食をくらい、最終日1発目の抽選を砂糖がキメる。
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ラインナップにも京都が登場 |
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砂糖とマングローブの強力バッテリー |
最終日一発目は、3の目と共に京都府へ一気に近づくことに。
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岐阜駅から米原まで特別快速という名の鈍行に揺られる |
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チラッ |
岐阜から米原まで特別快速、そこから新快速で一度京都に降り立つ。
そこからは奈良線に乗り換え、黄檗へ。
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黄檗ー黄檗ー |
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マングローブ氏あこがれの地 |
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普通しか停まりません |
11時46分着なので、宇治キャンパスで昼食。
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子供たちが駆け回る中で男3人 |
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いいお天気です |
さて、あまり悠長にもしていられない。
本日2回目のサイコロを、我らがマングローブ氏が振る。
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ラインナップから透けて見える守りの姿勢と疲労の色 |
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大きく振りかぶって |
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いったーーーー |
数分後、我々は再び奈良線を「南へと」揺られるのであった。
マングローブ氏が計画立案の折より強く行きたいと願う、
和歌山県は加太深山要塞へ向かわんがためである—
さて、多少関西の交通事情をご存じの方なら、「奈良線を南」という表現に何かお気づきになりはしないだろうか。
そう、黄檗から和歌山に行こうと思うのなら、奈良線経由で南下するより、一度京都まで戻って新快速→紀州路快速と乗り継いでいく方が明らかに速い。だが、我々は時間がかかるのは承知の上、奈良線から和歌山線に乗り継ぐという「遠回り」ルートを選択した。初日の京都−明石往復のせいで、我々3人がどうしても姫路方面の新快速に乗りたくなかったからだ。
しかし、この選択が、ある人物に変化をきたすこととなる。
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奈良線快速のマングローブ氏 |
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奈良駅のマングローブ氏 |
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こいつが和歌山まで連行するのである |
奈良からは和歌山線に乗り換えるのだが、実はこの路線、途中までは初日に出した宇陀へ向かうときに一度通った道でもある。
やたらと揺れるし、横向きのロングシート車両で鈍行しかないからいちいち全部の駅に停まる。
車窓も代わり映えがしない上、時間の都合上途中から車内は高校生でいっぱいに。
どうやら私学の子らしく、県境を越えてもなかなかいなくならない。そして、うるさい…
これが延々3時間、3時間である。
しかも、これでは終わらない。
和歌山駅からは和歌山市までこれまた似たような電車に揺られ、さらにそこから南海加太線に乗り換え、終点の加太まで向かうのである。
加太駅までの移動時間、有に5時間超。
当然誰も彼も口数が減ってくるのだが、マングローブ氏の様子が輪をかけておかしい。
もはやロングシートに座ることもせず、ガラガラの車内でわざわざ立って一身に外を眺めている。
気晴らしに冗談を投げかけても、応答が荒々しい。
西「もうワケ分かんないんだけどイライラしてんだよお」
和歌山線の苦行の末、とうとう「鈍行」という移動手段に対して理不尽な怒りに駆られてしまったのである。
山田・砂糖の両名はこの異例の事態に対して十二分に気を遣いつつ、出ちゃったからには行くしかない加太への道を先へと進む。
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南海加太駅 |
加太駅までつくと、マングローブ氏のイライラも少し落ち着いた様子。
しかし、本番はここからだ。
目的地の要塞は、駅から40分以上、山への道を「歩いた」ところにある。
慣れない土地、そして迫る日没。
最終日、最後の試練が部員一同に襲いかかる。
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佐「どうやっていくんすか」
西「まあまて」 |
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歩道がほとんどない道を行く |
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この目を出した張本人 |
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日没が迫る海沿いの道、夕日がとても綺麗 |
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綺麗 |
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写っている山の上まで歩きます(この時点で行程の半分くらい) |
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山への道がだんだん本気を出してきた |
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「加太国民休暇村」とほぼ同じところにある |
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「ほんとにこんな道行くんですか」 |
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「あれ上ってくの」 |
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道路の隅っこを長々歩いてようやく「歩道」の入り口が |
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先の見えない歩道 |
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とうちゃーく |
要塞跡にたどり着いたのは、もうすぐで日没というぎりぎりのタイミングであった。
ここは第2次大戦中に軍部が築いたもので、中々堅牢な造りである。
ただ、今となっては空間以外に何もないので、ガイドブックなのでは
「バイオハザード感が楽しめる」
というのが謳い文句になっている。
では、ご覧いただこう。
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煉瓦とコンクリート造り |
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階段を下る |
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まっくらだけど |
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実際はこんな感じの部屋が |
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内部はこんな感じ |
このすぐそばに展望台があるというので、ついでに寄ることに。
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この眺望である |
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写真を撮るマングローブ氏 |
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記念撮影! |
さて、長い長い旅もそろそろタイムリミット。
だーやまさんが、(最後の)サイコロをここ加太で振る。
5の目と共に、ようやく我々は京都の地へ帰るに至ったのであった。
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帰りは近所の休暇村からタクシーを呼んで加太駅まで |
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休息① |
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休息② |
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休息③ |
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ぬいぐるみとマングローブ氏 |
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休暇村からの眺望 |
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綺麗ですね |
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さよなら加太 |
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貸し切りの南海加太線 |
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巨匠のソロリサイタル |
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つ、着いた… |
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一番の若手 |
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長老 |
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さて、最後にこの旅で一体我々がどれほど移動したのかについてまとめ、この稿を締めくくろう。
第1夜
京都−嵐山−明石−榛原(宇陀市)−静岡
605.4km/150駅
第2夜
静岡−河口湖−長野
469.6km/123駅
第3夜
長野−氷見−福井−敦賀−岐阜
511.4km/109駅
最終夜
岐阜−黄檗−加太
410.2km/75駅
計
1994.6km/457駅
次回の開催は果たしてあるのか?
お楽しみに!
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