2014年3月18日火曜日

楽譜の製本方法

◎まえがき

この度ヴィオラパートの楽譜係になったのうみです。
いつものとは違い今回はおしごとでマニュアルな記事です。サイコロの旅のレポートを途中でぶった切る形になって心苦しいのですが 、色々とやむを得ない事情(*0)があり、先日の楽譜づくり講習会(*1)の写真を使って楽譜の製本方法についての記事を書かせていただくことにしました。中・メイン曲のパート譜作成を担当する皆様は、これを見るなり私をプレハブで捕まえるなり何らかの方法で呼び出すなりして作成してください。出来る範囲でお手伝いしますので。
ちなみにこの記事の技術指導&写真提供&モデルはymnkさんです。お忙しい中本当にありがとうございました。

◎用意するもの

カッター
カッターマット、またはその代わりになる物(新聞など)
スティックのり(*2)
40cmくらいあるものさし(中に方眼があるものが便利)
鉛筆

◎おおざっぱな説明

2ページ目以降を2枚ずつくっつけて折って重ねて貼って冊子にします。その冊子の背を1ページ目の左端でくるみます。そのままだとくるんだ部分が見えて見栄えが良くないので、裏側に最終ページか白い紙(*3)を貼って綺麗にします。 その後上下右の余剰部分を切り落としてページを貼りあわせて完成です。

◎くわしい説明

①目印の線を引いて紙を切る 

今回配られたシベ2の楽譜はそうでもないんですが、楽譜は五線が印刷された紙の上下左右と平行じゃないことがほとんどです。五線のある位置がページによってまちまちだったりもします。という訳で、この工程では楽譜の左とか右を切って平行にしながら奇数ページにのりしろを作っていきます(上とか下は最後にやるので無視です)。
写真の都合があるのでまず2ページ目以降の処理を説明します。

●2ページ目以降は2枚1組で加工していきます。奇数ページにのりしろを作って偶数ページを貼り、それをのりしろのラインに沿って折って束ねて冊子にしていくわけです。

○奇数ページ
まず目印となる線を引きましょう。
のりしろは左端から1cmくらいあればよいのですが、前述のとおり紙と五線の関係がよろしくないため、まず左端に五線の始まりが並んでいるラインに平行になるような線を引き、そこから1cmの間隔を空けてもう一本線を引きます。
出来上がりは下のようになります。
この時に定規に方眼が付いてると便利なんですが、無ければ目視でやっちゃってください。自分の良心が許す範囲で平行にしましょう。
そして、ここが重要なのですが、切るのは左端の線だけです。
 切る前
 切った後。2本目の線はきちんと残ってます。

2本目=のりしろとなるラインを切っちゃったら印刷し直しになります(*4)
切り終わったら、のりしろの所をカッターの刃の背側でなぞりましょう。折りやすくなります。言うまでもないですが刃側でやったら切れます。切れたら印刷し直しになります(*5)
こんなに折りやすくなるんですよ。

○偶数ページも、右端=のりしろと重なる方を、五線の終わるラインと平行になるように線を引いて切ります。

右端は白紙に余裕がないので、なるべく切る幅が短くなるようにギリギリを攻めましょう。

●1ページ目も奇数ページの要領で2本の線を引いて1本目を切ります。ですが、こののりしろには冊子の背をくるむ役割があるので、左端部に2cmくらいののりしろが出来るようにします。
出来上がりはこんな感じです。

②2ページ目以降を貼りあわせて折る

二枚ずつ貼りあわせましょう。3ページ目ののりしろに糊を付けて2ページ目を貼りつける、5ページ目ののりしろに糊を付けて4ページ目を貼りつける……というのを最終ページまでやってください。
こんな感じ
五線の位置は左右のページで揃えましょう。五線の上にあるviolaの文字などを目印にするとよいです。
終わったらのりしろの所で折っておきましょう。

③折ったやつを重ねて貼って冊子の形にする

……この写真じゃ何が何だか。
最後の組から最初の組へと順々に重ねていきましょう。山折りになっている方の長辺にのりを付けて貼ります。うーん文章にしても何が何だかって感じですね。背中の方で纏まってて冊子の形になってればいかなる方法を用いても大丈夫ってことだけ覚えておいて頂ければ大丈夫です。
山折りになってないほうとか短辺には塗らなくていいです。何故かというと後で切って整形するからです。

④くるむ

1ページ目があるべきところに貼ってください。2ページ目の裏です。山折りになってる方の長辺にのりを付けたら、1ページ目ののりしろラインを2ページ目の裏側の左端に合わせて貼ります。

貼れたら裏返して、はみ出しているのりしろのところに糊を付けて、じゃばら状になっている背をくるむように折ります。
ぶれてますが折る直前の写真です

⑤ 隠す

④のままだと背表紙にのりしろが見えていてちょっと不恰好です。スティックのりの強度なんてたかがしれてるので何かの拍子で外れてしまうかもしれません。
ということで、最終ページ(シベ2の場合は白紙)を貼って隠しましょう。のりしろの上に糊を付けて貼ってくだされば結構です。

⑥ 裁断して整形する

無駄になっている余剰の部分をカッターで裁断します。表紙の所に目印線を引いてガシガシ切ってください。

厚いので何度か刃を入れないと切れません。定規があまりぶれないようにしっかり押さえましょう。
注意すべきポイントは、その線で切った時に①どこかのページの五線や曲想記号が切れてしまわないか(下辺を切る際に)どのページにも下部に書き込みができる余裕はあるか③背に対して平行・垂直になるか、というところです。特に、下辺が垂直でないと楽譜が譜面台に立たなくなったりします。
まあシベ2だと要るところと要らない所がわかりやすく分かれているのであんまり考えることもない気もするのですが。

⑦ 糊付けする

⑥の状態では白いページがあるので、それがなくなるようにしましょう。

長辺だけ塗ってくだされば結構だと思います。

⑧ 完成



◎あとがき

大体こんな感じです。一応書いてはみたものの読み返してみると自分でも何言ってるのか分からない部分が結構ありますね。そういう代物なので他人が読んだらもっと訳が分からないでしょうし、少しでも不安になったら作業を中止してymnkさんとかhらのさんとかその辺の楽譜職人に訊いてください。楽譜は紙なので一度破れたら戻りませんし、印刷屋がいたずらに利益を上げるだけで私たちには何の得もならないですよ。
という訳で作成担当のみなさま、よろしくお願いします。あとこの文章に何か間違い等ありましたら打消し線など入れてじゃんじゃん追加修正してください。



 
*0 そうね、メイン楽譜の作成を依頼したメンツのうち複数名から「楽譜の作り方忘れちゃったてへぺろ」という言葉を聞いてSAN値がだだ下がりしたとかこれを書いている今まさに夜勤中で職場から出られないとかそもそもパート譜を使用する日が明日だとかそういうあんまりシャレにならない理由があってね

*1 前日の23時に告知して当日の10時に始めたので当然のように私とymnkさんしか居ませんでした。mk君にも裏切られた。。まぢゃみ。。っら。。紙切ろ。。

*2 液体のりは豪快に波ができるので避けた方が良いと思います。テープのりでも構わないのですが、間違えるとやり直しがききづらい気がします。スティックのりは貼りたての状態だったら剥がしても楽譜にそんなにダメージがいかない。……はず。

*3 今回のシベ2は全体の枚数が17枚と奇数なので白い紙です。偶数枚だと最終頁が余るのでそれを貼ります(ex.今回の前プロ)。

*4 †印刷するのは楽譜係です†

*5 いやまあ何かゴキゲンな強調を付けてはみましたが印刷は別にどうってことのないおしごとなので、失敗・破損・汚染等々「この楽譜もう使えないよ~><」みたいな状態になりましたら気軽にご連絡くださいね。昼間だったら1枚5円でやってくれるコピー屋が開いてるので。




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